これもよくある質問です。次のケースで比較してみます。
車両購入100万円、残存価額10万円、耐用年数5年、償却率 定率法0.369、定額法0.200
(以下の計算は旧定率法と旧定額法で計算しています。現行の定率法と定額法でも同様の傾向です。)
定率法の計算方法
1年目 1,000,000×0.369 =369,000
2年目 (1,000,000-369,000)×0.369=232,839
3年目 (1,000,000-601,839)×0.369=146,921
4年目 (1,000,000-748,760)×0.369= 92,707
5年目 (1,000,000-841,467)×0.369= 58,498
合 計 899,965
定額法の計算方法
1年目 (1,000,000-100,000)×0.200=180,000
2年目 (1,000,000-100,000)×0.200=180,000
3年目 (1,000,000-100,000)×0.200=180,000
4年目 (1,000,000-100,000)×0.200=180,000
5年目 (1,000,000-100,000)×0.200=180,000
合 計 900,000
以上の通り、耐用期間を通算すれば同じ(端数で違うが)になります。定率法は償却額が最初大きく徐々に減少しますが、定額法は毎年度同じです。資金繰りの面では、設備資金を返済しているとき苦しく、返済が終了すれば楽になる傾向にあります。返済金については資金の流出はあるが費用とならない(費用となるのは利息だけ)ので資金状況に比較して利益が多く計上され税金や配当の支払に無理が生じる。だから経営者は返済期間の費用をできるだけ多くしたいと考えるわけです。
損か得かとは次元が違うけど、私は以上の理由から定率法をお勧めしています。
※ 上記の計算例は平成19年3月以前に取得した固定資産の償却方法によっています。