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第 34 号
内 容 | ◆ | プリペイドカードや商品券の売上 | |
◆ | 損害賠償金の益金算入時期 |
■プリペイドカードや商品券の売上 |
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プリペイドカードや商品券(以下、商品引換券等ということにします。)を販売し、後日、その商品引換券等と引き替えに商品を販売する。近頃では当然のごとく行われる取引です。 今回は、商品引換券等の販売と収益計上時期について考えます。 プリペイドカードや商品券は商品との引き替えを約束する有価証券であって、その販売の段階では商品を引き渡す義務(債務)が残ります。理論的には、商品券を発行した時点では商品引渡義務という債務の発生であって、収益を計上すべきではありません。商品を引き渡したときに収益を計上するのが会計理論上の正しい処理です。 しかし、プリペイドカードや商品券はそのすべてが使用されるとは限りません。現に私は、使う見込みのないテレホンカードを何枚か仕舞い込んでおります。そこで、税務は以下のように原則として商品引換券等を発行した年度に収益を計上し、その原価を見積もり計上することを原則としています。 法人が商品の引渡し又は役務の提供を約した証券等(商品引換券等)を発行するとともにその対価を受領した場合における当該対価の額は、その商品引換券等を発行した日の属する事業年度の益金の額に算入する。(法人税法基本通達2-1-33) もちろん、会計上の考え方も取り入れて、発行年度は収益を計上せず、商品と引き替えをした年度の収益とすることも条件付きで認めています。少々長くなりますが、関係通達を紹介します。 法人が、商品引換券等(その発行に係る事業年度ごとに区分して管理するものに限る。)の発行に係る対価の額をその商品の引渡し等(商品引換券等に係る商品の引渡し等を他の者が行うこととなっている場合における当該商品引換券等と引換えにする金銭の支払を含む。)に応じてその商品の引渡し等のあった日の属する事業年度の収益に計上し、その発行に係る事業年度終了の日の翌日から3年を経過した日(同日前に有効期限が到来するものについては、その有効期限の翌日とする。)の属する事業年度終了の時において商品の引渡し等を了していない商品引換券等に係る対価の額を当該事業年度の収益に計上することにつきあらかじめ所轄税務署長の確認を受けるとともに、その確認を受けたところにより継続して収益計上を行っている場合には、この限りでない。(法人税法基本通達2-1-33ただし書) 私は、以前からこの通達に疑問をもっています。商品券の発行金額のうち、どれだけが現実に引き替えられ、未だ引き替えられていない商品券がいかほどあるかという管理をすべきは当然として、会計上当然あるべき基準を選択するに当たって、なぜ税務署長の確認が必要なのかという点です。 |
■損害賠償金の益金算入時期 |
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自動車事故や近隣で行われる工事によって会社の建物や商品などの財産に損害が生じ、加害者から損害賠償金を受け取ることがあります。今回は、そんな場合の収入計上時期を考えてみます。 損害賠償金を受け取る場合に、いつの時点で益金に算入すべきかについては、次の考え方があるでしょう。 (1) 損害発生と同時の収益計上。 (2) 示談の成立等によって損害賠償金の確定した年度に収益計上。 (3) 現実に損害賠償金を収入した年度に収益計上 (1)の場合には、災害損失計上時期と損害賠償金収入の時期が一致しますが、(2)と(3)の場合には、災害損失計上時期と損害賠償金収入の時期が異なることがあります。 債権確定主義が法人税法の基本的な考え方ですから、そこからは(2)の具体的に損害賠償金の額が確定した日の属する事業年度の収入ということになりましょう。しかし、示談が成立しても加害者の支払能力などの事情によっても示談の条件通り支払われるとは限りません。そこで、通達でも以下の通り、(2)を原則としながらも(3)の損害賠償金を収入した事業年度の収益計上も認めています。 他の者から支払を受ける損害賠償金(債務の履行遅滞による損害金を含む。以下2−1−37において同じ。)の額は、その支払を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、法人がその損害賠償金の額について実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入している場合には、これを認める。(法人税法基本通達2-1-37) 一方、会社が受けた損害について損失として損金算入すべき時期については、下記通達の通り損害発生時の損金算入を認めています。すなわち、損失の計上と損害賠償金の収益計上時期とは切り離して考えています。 当該損害賠償金の請求の基因となった損害に係る損失の額は、保険金又は共済金により補てんされる部分の金額を除き、その損害の発生した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。(法人税法基本通達2-1-37注書) |