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 歳入庁設置の効果



 民主党の政権公約(マニフェスト)に掲げられていたものの一つです。政府の平成22年度税制改正大綱にも掲げられている項目です。

 歳入庁を創設した場合の効果を考えてみます。

 民主党のウェブサイトで述べられている「効果」は次の3点です。

(1)税と保険料を一体的に徴収し、未納・未加入をなくす。
(2)所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する。
(3)国税庁のもつ所得情報やノウハウを活用して適正な徴収と記録管理を実現する。
(以上、民主党「政策集INDEX2009」より引用)

 社会保険料を滞納している会社は税金も滞納していることが多く見うけられますから、一括して集金(徴収)する効果は大きいと思います。また、社会保険事務所では会社の利益状況を把握することはできませんが、歳入庁の設置により税務の情報を入手できますから、納付率や加入率の向上につながることは容易に予測できます。

 また、民主党が触れていないことに「在職老齢年金の支給停止」の問題があるのではないかと思います。

 60歳以上70歳未満の厚生年金や共済年金の被保険者については、給料(標準報酬月額)と年金月額の合計額が一定額以上の場合に年金の一部または全部の支給が停止されます。これを「在職老齢年金の支給停止」といいます。

 ある程度以上の収入がある人は、年金が減らされてもしかたがないと思いますが、これには大きな問題があります。それは、年金の支給が停止されるのは厚生年金や共済年金の被保険者に限られることです。被保険者とは、現役のサラリーマンで年金保険料を負担している人のことです。給料以外の所得、たとえば家賃収入や株売買による所得があっても年金の支給が停止されないのです。働いて得た給料がある人は支給停止されて他の所得がある人については停止されないことに釈然としないものがあります。私は公正な制度ではないと思っています。

 社会保険庁では、厚生年金被保険者の給与収入以外の他の所得は把握できませんから現状ではこれ以上のこと不可能なのです。

 歳入庁を設置すれば、税務に関する情報も把握できますから、全所得について公平に年金を支給停止することが簡単にできますね。

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